第35回 大臣会見から行間を読む。暗雲立ち込めるビザ改革
移民制度の“Reset”が、政府により発表になりました。
国境完全復旧後は、以前のような“Immigration setting”には戻らない
- 病気の移民大臣の代わりに、Stuart Nash経済及び地方発展兼観光大臣が登場して行われた記者会見。NZに雇用を創出する投資家(対象人数200人)の入国が緩和されること以外は、詳細に欠ける内容だったことは否めません。
- しかし、“Genuine(正真正銘)な人手不足を補う労働者に門戸を空ける”、“国境が完全に復旧した時には、それ以前のImmigration Setting(移民制度?)で元栓を空ける余裕はない“というコメントから、今後、何か根本的な改正もあり得るのではと感じました。実際、アーダーン首相も、金曜日に、”低Skillで低賃金職から、高Skillの移民呼び込みにシフトして、GenuineなSkill不足に対応する”と語っていました。(Newshub, 5月14日)
- 更に、今後、SMC、就労ビザ、パートナービザの改正に入るということも同時に発表。“パートナービザの就労権利”が改正の対象となることに、オープンワークが廃止される可能性も出てきたので、非常に心配しています。
- 因みに、Specific purpose, Short term business(起業家ビザ)、訪問、ワーホリ、パートナー以外の家族ビザ(扶養子女など)と人道的カテゴリー(難民)については、改正の予定は現時点ではないことも同時に言明していました。
先週金曜日のニュースで衝撃が走る
先週金曜日(5月14日)午後に、移民アドバイザー、弁護士の業界トップともいえる職能団体NZAMIが、 “審査官がまだ割り当てられていないSMC永住権申請をLapse(失効)させ、返金すると移民局が月曜日(5月17日)に発表することを信じている”との声明を発表。(Scoop, 5月14日) 前述の通り、実際はそのような発表は今回ありませんでした。しかし、移民局はSMCについてどのようにてこ入れするのか(EOI選出ポイント引き上げなどのマイナーチェンジなのか、根本的に新しいシステムに移行するのか)、大変気になるところです。
移民局が過去行った異例の措置
個人的に、前述のNZAMIの懸念は荒唐無稽だとは思っていません。実際、過去に、移民局が未決の永住権申請を“失効”させたことがあります。SMCの前身でEOIがなかったGeneral Skills Categoryにて、2002年11月20日以前に申請し、2003年7月1日までに審査結果が出ていないケースについて、Immigration Amendment Act2003の第6条を根拠に、ジョブオファーなどを持っていない移民からの申請を失効扱いにし、返金した、というものです。(同法は、現在廃案になっています。)
この時に、失効された理由は、過去2年にわたり、増えに増え続けた永住権申請を全て審査した場合、SMC導入に間に合わないから、ということでした。(NZG,2003年7月1日)因みに、現在未決のSMCビザ申請は、前述の記事(Sccop,5月14日)によると、約30,000件。選出されていないEOIに関しては、今年3月時点で約7,000件です。(コラム参照)
この時に、失効された理由は、過去2年にわたり、増えに増え続けた永住権申請を全て審査した場合、SMC導入に間に合わないから、ということでした。(NZG,2003年7月1日)因みに、現在未決のSMCビザ申請は、前述の記事(Sccop,5月14日)によると、約30,000件。選出されていないEOIに関しては、今年3月時点で約7,000件です。(コラム参照)
視点を変えることで道が拓けるかも
日本の旅行先としては北海道が一番好きで、高校生の時に、阿寒湖にあるお土産物屋さんで一宿一飯のお返しに、鮭をかじる木彫りの熊などを販売していたこともある位です。ある時、青春18きっぷで、鈍行で旅行中に、札沼線という路線の最終駅である新十津川という駅に行ったことがあります。その駅はなかなかレアで、始発駅である札幌までは(乗り継ぎで)一日3本しか通っていませんでした。しかし、その駅から2キロほどの滝川駅から札幌までは一時間に何本も電車が走っており、簡単に札幌まで行くことが出来ます。この時、視点を変えることで道が拓けることを実感しました。(残念ながら、札沼線の一部廃線に伴い、現在、新十津川駅は廃駅となりました。)
ビザ申請も同様に、今の状況を分析し、審査官がどのように審査するのか、今後はビザルールがどのように変わるのかなどを予測することで、ビザ発給の可能性が出てくることがあります。昨今のビザをめぐる状況では、全く楽観視出来なくなりましたが、希望を捨てずに、今出来ることから進めて頂けたらと思います。
ビザ申請も同様に、今の状況を分析し、審査官がどのように審査するのか、今後はビザルールがどのように変わるのかなどを予測することで、ビザ発給の可能性が出てくることがあります。昨今のビザをめぐる状況では、全く楽観視出来なくなりましたが、希望を捨てずに、今出来ることから進めて頂けたらと思います。
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイスやビザの申請代行をご希望の場合はお問合せ下さい。(執筆日2021年5月17日)
このコラムは、NZ Daisuki.comにも掲載されました。 https://nzdaisuki.com/column/nzvisa-info-by-nzvp/article-35
執筆者
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して23年。TOEIC満点、英検1級取得。14学位取得。GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して23年。TOEIC満点、英検1級取得。14学位取得。GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com