第61回 「雇用主認定」申請開始寸前の新ワークビザ
雇用者認定開始まであと1か月を切りました。
5月23日から雇用者認定開始の新ワークビザ
- 雇用主チェック(雇用主認定)、ジョブチェック、移民チェックと3つの独立したチェックから成り立つ新ワークビザ。第59回コラムのおさらいになりますが、以下がこれからの日程になります。
- 5月23日 雇用主認定申請開始
- 6月20日 ジョブチェック開始
- 7月4日 新ワークビザ申請開始
- 新ワークビザの開始に伴い、7月3日申請分を最後に、エッセンシャルスキルズワークビザは撤廃されます。第一弾の雇用主認定申請が開始することに先駆け、4月13日、移民アドバイザー弁護士向けのウェビナーが開催されました。以下6点が、雇用主認定で雇用主に生まれる義務となります。
- 1.実際にビジネスを経営していて、そのビジネスが存続する見込みがあること。
- 2.従業員に対して移民サポートをしていること。
- 3.移民法、雇用法等を遵守していること。
- 4.雇用に関する費用を負担していること。
- 5.人事に関わる責任者が雇用に関するオンライントレーニングを受けること。
- 6.スタッフに規定のオンライントレーニングを受けさせること。
新ワークビザについての個人的感想
いつものように、ウェビナーで発表された内容について、あまり新しい発見はありませんでしたが、個人的に興味を持ったのは以下の点についてです。
英語が苦手なスタッフに対しては?
上記2の移民サポートについてですが、IRDの取得方法などNZで働く上で基本的な情報を提供をすることで条件を満たすようです。渡す情報には日本語がないことが予想されています。ウェビナーの中では、英語が苦手はスタッフに対しては、「“常識に従って”翻訳文を渡すなどの対応を期待する」旨回答がありました。
転職はVOCで対応可能なのか? 新ワークビザはパートナーをサポート出来るのか?
現在エッセンシャルスキルズワークビザで滞在中の方が、7月4日以降に別の職場に転職される場合は、発給条件の変更、いわゆる新ワークビザにVOCで対応となるのか?という質問が出ました。ただ、この点についてのビザルールはまだ協議中のため即答出来ないとの事でした。同じ理由で、新ワークビザ保持者はパートナーをサポート出来るのかという点についても回答は保留となりました。
面接と立ち入り検査の可能性
ビザルールによると、雇用主認定審査中だけでなく、認定後でも、雇用主に対して必要に応じて、面接や立ち入り検査が行われることが明記されています。認定後に移民局の捜査が入った場合、その雇用者認定が最大3か月間停止することもあるようです。
英語が苦手なスタッフに対しては?
上記2の移民サポートについてですが、IRDの取得方法などNZで働く上で基本的な情報を提供をすることで条件を満たすようです。渡す情報には日本語がないことが予想されています。ウェビナーの中では、英語が苦手はスタッフに対しては、「“常識に従って”翻訳文を渡すなどの対応を期待する」旨回答がありました。
転職はVOCで対応可能なのか? 新ワークビザはパートナーをサポート出来るのか?
現在エッセンシャルスキルズワークビザで滞在中の方が、7月4日以降に別の職場に転職される場合は、発給条件の変更、いわゆる新ワークビザにVOCで対応となるのか?という質問が出ました。ただ、この点についてのビザルールはまだ協議中のため即答出来ないとの事でした。同じ理由で、新ワークビザ保持者はパートナーをサポート出来るのかという点についても回答は保留となりました。
面接と立ち入り検査の可能性
ビザルールによると、雇用主認定審査中だけでなく、認定後でも、雇用主に対して必要に応じて、面接や立ち入り検査が行われることが明記されています。認定後に移民局の捜査が入った場合、その雇用者認定が最大3か月間停止することもあるようです。
審査官20%減で急増するビザ申請に対応出来るのか?
2019年10月から30か月以上も技能移民永住権の審査を待っている移民の記事を読み、あの結果を待っている時の嫌な気持ちがそんなに長く続いているのかと軽くうなだれてしまいました。またその記事で更にショッキングだったのが、現在の審査官の数が、パンデミック前と比べて179人も減少。海外支局閉鎖の影響が大きいと思いますが、割合にして20%減とかなりの減少率と言えます。一部では、3月から申請開始の第二弾ではオフィサー 1人当たり1413件の特別永住権審査を担当しているとの話も聞いています。
今まではワークビザは最短1週間で発給されていたのに、最近は3か月以上も審査にかかるケースをみると、現在のスタッフが特別永住権に人員を取られる中、審査項目が増える新ワークビザ申請を早くさばききれるか疑わしいところです。
今まではワークビザは最短1週間で発給されていたのに、最近は3か月以上も審査にかかるケースをみると、現在のスタッフが特別永住権に人員を取られる中、審査項目が増える新ワークビザ申請を早くさばききれるか疑わしいところです。
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイスやビザの申請代行をご希望の場合はお問合せ下さい。(執筆日2022年4月29日)
このコラムは、NZ Daisuki.comにも掲載されました。 https://nzdaisuki.com/column/nzvisa-info-by-nzvp/article-61
執筆者
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して23年。TOEIC満点、英検1級取得。14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して23年。TOEIC満点、英検1級取得。14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com