第80回 転職したい方、パートナーがいる方に移民大臣が決断
新たに、Straight to Residence永住権入りした職種が発表されました。
32職種が、すぐに永住権申請可能に
IMFが発表した予測によると、ニュージーランド経済は不景気が加速するようです。今年の実質GDP予測は、アジア圏内の先進国の中で最低の1.1%で、失業率に関しては、去年より1%アップの4.3%。来年には、5.3%に上昇すると発表されています。(Newshub, 4月12日)不景気とは関係なく、慢性的に人手不足なのが医療業界。移民大臣と保健大臣の共同大臣声明が発表され、32種類の医療系職種がStraight to Residence永住権入りすることがわかりました。両大臣曰く、「他国よりも優位な移民政策」と豪語。以下がその職種で、今年5月29日から申請可能になります。
- Addiction practitioner/alcohol & drug clinician
- Audiometrist
- Chiropractor
- Clinical dental technician
- Clinical physiologists (sleep, renal, exercise, respiratory, neurology, and cardiac)
- Counsellor
- Dental specialists
- Dental technician
- Dental therapist
- Dentist
- Dietician
- Dispensing optician
- Drug and alcohol counsellor
- Enrolled nurse
- Genetic counsellor
- Medical laboratory pre-analytical technician
- Medical resonance imaging technologist
- Nuclear medicine technologist
- Nurse practitioner
- Optometrist
- Oral health therapist
- Orthotic and prosthetic technician
- Orthotist/prosthetist
- Osteopath
- Paramedic/emergency medical technician
- Perfusionist (cardiac)
- Pharmacist
- Physiotherapist
- Play therapist (hospital)
- Social worker
- Speech language therapist
- Sterile processing technician
更には、新たにStraight to Residence にアップグレードされた職種も
以下の8職種については元々Green list Work to Residenceに入っていたのですが、今回の改正により、Straight to Residence永住権リストに入ることになりました。これらの職種に就いていて条件を満たしている方は、2年間のNZでの就業期間を経ずに永住権を申請出来るようになります。
- Anaesthetic Technician
- Audiologist
- Medical imaging technologist
- Medical laboratory technician
- Medical radiation therapist
- Occupational therapist.
- Podiatrist
- Sonographer
確かに、NZの医療事情は深刻だと思います。オークランドのような大都市では事情が違うかもしれませんが、片田舎だとGPのEnrolmentだけで数か月待ち。GPの予約を取ろうと思っても、予約を待つのに最大1週間待ち、病院での検査だけで3,4か月待ち。ただ、住んでいる町に、GPクリニックや病院があるだけでだいぶ有難いと思っていますが、病気になった時が心配です。
バス、トラック運転手用の永住権も改正へ
去年12月に発表されたバス、トラック運転手用の時限的永住権。こちらのカテゴリーには、Ship’s Master/SkipperとDeck Handの2職種が新たに追加されました。この永住権カテゴリーについては、現在ビザルールを話し合っているところで、最終案発表及び運用開始は来月5月後半の見通しとのことです。(移民、保健大臣合同発表, 4月11日)
健康面の審査自体が緩くなったわけではない
医療関係者への永住権パスウェイのついでに、健康条件についても触れておこうと思います。現在、永住権申請条件の一つである健康条件、医療費のアッパーリミットが$81,000に引き上げられたことで、健康面の審査が緩和されているのではという誤解があるかもしれませんが、そうではありません。最近の例ですと、4人のスペシャリスト+GP1人の診断に同意せず、移民局お抱えの医療チームが治療費がアッパーリミット以上発生することが予想されると判断したことにより、持病持ちの娘を含めた家族全員分の永住権が却下されたケースがありました。(RNZ, 3月2日)皮肉にも、人手不足が顕著な看護師(永住者)のご家族でした。因みに、弊社で経験した例としては、治療を受けていないのに、ビザ申請で2回続けてスペシャリストによる診断を要求されたこともあります。(ただし、永住権審査の際は何も要求されず全くのスルーでした。)
健康面だけでなく、虚偽申告が加わるとかなり厳しい
健康面に懸念があるケースで、持病を隠匿、もしくは申請フォームに虚偽申告をした場合はビザ発給のハードルが更に高くなります。移民保護裁判所訴訟例ですが、娘の持病及び障害を隠匿したことで永住権却下、裁判所への提訴が成功し、再審査となりました。しかし、その後、英語力不足と認定され、再度永住権却下。再び裁判所へ提訴するものの敗訴。そして、今度は、再度永住権申請した時に、娘の健康条件を満たしていないため、再び永住権が却下されました。三度裁判所が審査し、特別な理由があると認められ、移民大臣による永住権発給を推薦するとの判決が出たことがあります。因みに、裁判所の推薦を受けても、移民大臣が永住権を発給しなければならない義務はありません。
ビザ申請だけでなく、NZeTA申請とアライバルカードに記載した内容についても正確な情報を記入する必要があります。一回ビザが出たとしても、後のビザ申請で厳しく審査されることがありますので、十分気を付けて万全の体制で臨んでください。
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイスやビザの申請代行をご希望の場合はお問合せ下さい。(執筆日2023年4月12日)
このコラムは、NZ Daisuki.comにも掲載されました。https://nzdaisuki.com/column/nzvisa-info-by-nzvp/article-80
執筆者
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター
代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して23年。TOEIC満点、英検1級取得。14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com