第81回 新技能移民永住権にも言及した移民大臣発表
ウッド移民大臣主催の移民アドバイザー向けウェビナーに参加しました。
ほとんどの会社のオフィスアワー終了間際の16時半に開始
中国語に「好聴」という「聞いていて気持ちよい」という意味の言葉があります。ウッド大臣の英語は個人的に「好聴」なのですが、基本的に移民大臣のスピーチは、その難しい立場もあり、期待している新情報が少ないように感じます。今回は、4月18日のウェビナーで個人的に興味深かった内容をピックアップしてみました。
改正を提案されていたワークビザとPermanent Resident Visa (PRV) はどうなる?
Productivity Commissionが提案した中で、ワイタンギ条約を考慮した移民ポリシーするなどいくつかの提案については検討する予定とのことです。一方、一人の雇用主に縛られるワークビザにフレキシブルを持たせることやPRVの更新制などドラスティックな提案については言及がなかったので、これらについては在任中、改正の意思はないものだと理解しています。因みに、Productivity Commissionは、PRVを6年毎の更新制にして、更新の条件を6年間に2年以上ニュージーランドに滞在して、更に、投資、起業、家族とのニュージーランド滞在のいずれ等を更新の条件にすることを提案しています。
新技能移民永住権の全容が近日公開へ
現在の技能移民永住権の足切りポイントは180ポイントで続行されていますが、今年、新しい6ポイント式に移行することは去年発表されていました。今回の大臣の発表によれば、最終案は来月の5月に発表される予定であることが明言されました.
コンサルテーションを経て、新技能移民が最終的にどのようなルールになるのか気になるところです。移民局が提示した案のままですと、新技能移民永住権では、大卒以上でないと永住権の取得のハードルがかなり上がると思われます。さらに、ウッド大臣が不法滞在者にビザを与えることを「積極的に検討している」との報道が出ています(NZH、3月29日)。私個人としては、長期的に滞在しているワークビザ保持者を大切にする移民ポリシーを導入して欲しいと思っています。
残りの特別永住権の審査の進捗は?
ほとんどの特別永住権申請期間を「12か月以内で審査完了」から、「18か月以内に審査完了」と去年、突然発表した移民局。ウェビナーでの移民大臣の発言によれば、予定よりも早く審査が進んでいるとのことでしたが、今年に入ってから審査がかなり停滞しているイメージです。ビザ審査を早めてもらうように要請する方法もあるのですが、かなり限られた例でしか認められません。ただし、以前に、他に選択肢がないので、移民審査官の更に上の立場の方と直接交渉した結果、2週間後に発給されたことはありました。かなりレアケースだったと思います。
特別永住権申請中にリストラされ強制送還寸前に
大臣発表と関係ないのですが、去年から、特別永住権審査で却下された方による移民保護裁判所への提訴が見られます。私はひたむきに一生懸命頑張る人が大好きなのですが、特別永住権の審査条件に合わずに、移民局に却下されるのがわかっていても、移民大臣への発給推薦を目指して、特別永住権申請後に、裁判所へ提訴する方のガッツには頭が下がります。ただし、認められたケースは、親が危篤になり帰国することになったため、国境封鎖解除までNZに再入国されずに、特別永住権の申請条件を満たせなかったケースなど、かなり特殊でした。現時点では、その数たったの5件。(移民局の審査方法が間違っていたため提訴が認められたケースもありましたが、たったの1件です。)
また、特別永住権申請中にリストラされ、ワークビザのビザ発給条件を満たさなくなったため、強制送還警告通知書が届き、提訴した判決も見つけました。申請者がロシアとスペイン出身で、強制送還になった場合二人が離れ離れになってしまうことや、二人ともNZでキャリアを積んだこともあり、(パートナーは教師)、強制送還はキャンセルされました。
裁判所の判決文を読んでいると、ビザは当たり前の権利ではないと強く思い知らされます。自分の努力だけでなく、親身に協力してくれた方のおかげでビザを取得出来たことも人として忘れてはいけませんね。
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイスやビザの申請代行をご希望の場合はお問合せ下さい。(執筆日2023年4月19日)
このコラムは、NZ Daisuki.comにも掲載されました。https://nzdaisuki.com/column/nzvisa-info-by-nzvp/article-81
執筆者
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して23年。TOEIC満点、英検1級取得。14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して23年。TOEIC満点、英検1級取得。14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com